時代とともに語り継がれる名刀とものづくりの中に

日本刀の職人さんの語りに、「鉄の声」を聞くといってようなフレーズをみつけました。この言葉の示すおおよその意味合いは、日々、刀作りに使用する材料の鉄にも、性格や資質の違いがあり、その見極めが作品に影響してくることを言うのだそうです。これは、自然からの声を聞いていることに繋がってくるのかもしれません。自然から発せられるメッセージを研ぎ澄ました感覚でキャッチすることによって、刀作りに反映していくのかもしれません。実際に、刀作りをしてみない限りにはこのような感覚はわからないのかもしれませんが、自然からのメッセージを受け取るということが、ものづくりの中に含まれているのであれば、多くのことは、このような心構えを持って自然から頂いた恵みを利用するというような気持ちを大切にしなくてはならないでしょう。時代を超えて、人の手に伝承され続ける名刀には、命が吹き込まれているように、その意思や存在を感じることがあります。生きるということはこのような意思を持った存在であるのかもしれないと考えさせられました。