日本刀の科学的調査について

日本刀に興味があっても、よく理解していない人が多いのではないでしょうか。また、日本刀というのは何か、ということを知りたい人もいるかと思います。日本刀を美術工芸品としてみるだけでなく、ものづくり、学術的な観点によりその技術を観察していくのも面白いかと思います。時代劇の映画も毎年作られているので、剣術というものを、映像を通して観ることができ、少しは身近に感じるのではないでしょうか。またチャンバラ、時代劇の殺陣など、若い人の間でも面白いと思っている人も多いようです。
そして、外国人の日本への興味として、刀というものがあります。忍者の方が、人気があるようですが、刀を集めているという外国人も多いようです。日本刀の製作技術に対して、技術の伝承を研究しており、武器としての機能について科学的な調査が行われているそうです。
たとえば、和鉄の「折返し鍛錬」というものや、材料特性の異なる和鉄を組み合わせて鍛接する「造り込み」というものがあります。こういったことを調べる、材料学的な詳細な研究があります。
なお、焼入れによって発生する反りの仕組みの力学的研究というものもあります。日本刀の刀身と柄を留めている部材である目釘竹ですが、これがどうして激しい打ち合いをしても折損しないのかということを研究しているのです。最近の衝撃工学的研究というものにおいて、日本刀というものが現代の科学の理に非常にかなうものだと判明しており、本来の武器として見た時の機能合理性、力学および科学技術的な観点からみると、時代劇も違った視点で観ることができて面白いかと思います。いろいろな視点から刀を見ると、日本等が最も優れた美術工芸品であると言えるのではないでしょうか。自分で持つのはハードルが高いですが、平安時代から長い伝統を持つ日本刀をリスペクトしてみませんか。